ニューヨーク州のレンズトラス橋

オウアクアガ橋（オウアクアガ）

Ouaquaga Bridge, Ouaquaga, NY

デラウェア湾に注ぐサスケハナ川は、ペンシルヴァニア州とニューヨーク州の州境付近を蛇行して流れ、川の流れを頼りに橋を探しているものにとっては時に混乱したりするが、オウアクアガという小さな村の付近では北から南へと流れている。川の右岸を州道79号が走っていて、向こう岸の左岸は少し小高い段丘をなしている。
冬のある日に出掛けたため、すっかり氷雪に覆われてしまって水の流れの見えない川を見遣りながら車を走らすと、やがて２連のパラボラが見えてきた。オウアクアガの村と対岸の段丘上の住宅地とを結ぶ役目を果たしている橋であった。

橋へ向かうと、装飾の施された門構え、シールド状の扁額が迎えてくれる。ベルリン橋梁会社の特徴を備えた典型的なレンズトラス橋である。

左岸に渡って振り返ってみると、この橋の一番個性的な姿を見ることができた。ふっくらとしたレンズが２つ連なっている。
２連のレンズトラス橋は数が少なく、以前にニュージャージー州のネシャニック・ステイションの橋を見たときのトンボの羽根の印象がレンズトラス橋の魅力の美的基準となっていた。だが、オウアクアガの橋の場合は、曲線のうねりの幅がもっと大きく、トンボの羽根にしてはずんぐりとしている。むしろ、眼が２つ並んでいるような感じがする。あるいは、オシロスコープに表われる規則正しい電流の波形のようにも見える。
レンズトラス橋の新たな魅力を発見することができた。

オウアクアガ橋は、その立地も良い。
左岸の段丘からゆるやかなカーブを描いて道が川岸に下っていき、その先に「ちょこんと」架かっている風情である。

建設年	1888年
種類	レンズトラス橋（レンティキュラートラス橋）・２スパン・スルートラス
全長	---フィート
状態	自動車用（床板は金格子、高さ８フィート８インチ、重さ５トン制限）
その他

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