安倍貞任の墓(安倍貞任塚)

安倍貞任の墓が山口県山陽町にあるというので、訪ねてみた。
安倍貞任は平安時代末期の、蝦夷の首領(俘囚の長)である。 前九年の役において、厨川の戦いで源義家に敗れて斬首された。
斬首された首が京に届けられることはあったかもしれないが、今で言う東北は蝦夷の首領の墓が、なぜ山口県にあるのか。それは謎だ。

だが、前九年の役に、生き残った貞任の弟安倍宗任は伊予国・後に筑前国の宗像に流され、子孫が松浦党の祖になったことが 平家物語や太平記などに記されているように、敗者の蝦夷の集団が東北から遥か西国に遷されるということはあったようだ。
となると、山口県に配流となったか、この地に根を下ろした安倍の一支族が、祖先を偲んで立てたということは十分に考えられる。

石には「安倍貞任塚」と記してある。

国道沿いの踏切も、「貞任」踏切になっている。
こうした何気ないところに歴史のロマンが隠れているのだから、面白い。

貞任の墓を探しながら国道を車を走らせていたが、この踏切のおかげで迷わずにすぐ見つけることができた。


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