日本のバットレスダム

バットレスダムという様式を知ったのは、昭文社の『現代日本を創ったビッグプロジェクト』という本を読んだときだ。 格子状のコンクリートの構造物が、遮水板と呼ばれる板を支えている。その格子状の構造に一目惚れしてしまったのだ。
だがうかつにも、構造的には格子状というのは本質ではなく、扶壁と呼ばれるコンクリートの壁(そもそも、バットレスダムの 「バットレスButtress」とは扶壁のことである。格子では縦のラインを形作っている)を並べて遮水板を支えるというのがこの形式の 力学構造らしい。丸沼ダムでは中央部の大きな扶壁1枚だけで1,000tぐらいの重量はあるとのことで、この重量でもって水圧を 支えているのである。
バットレスダムが日本で作られた理由には、建設当時はコンクリートや鉄骨などの材料が貴重で高価であったために、節約のために 採用された。戦前のことである。同様な資材節約の発想は中空重力コンクリート式ダムという中を空洞にする形式でも見られるが、いずれも 構造が複雑になるために現在では廃れてしまっている。
バットレスダムは日本では8例が建設され、その中で現在も残っているのは6例のみである。

どうも私には、こうした建設時期が限られた、しかも単なるファッションではなくその当時としてはすこぶる合理性を持った様式の 建造物に惹かれてしまう癖があるらしい。かつてはレンティキュラートラス橋(レンズトラス橋)に夢中だったが、今度は バットレスダムを追いかけ始めると止まらなくなってしまった。このページはその記録である。


笹流ダム

竣工1923年、北海道函館市

日本で最初に作られたバットレスダム。函館市の水道用ダムとして建設された。改修されて上部はアーチ状になっているので バットレスダム=格子状の先入主は通じなく、列柱が印象的である。
下流側は公園として整備されている。

【取材日】2008/9/27

笹流ダム

丸沼ダム

竣工1931年、群馬県片品村

重要文化財に指定されている。

【取材日】2008/9/27
※丸沼を愛する会が設置した「牧水の渡し」より撮影

丸沼ダム

真川調整池ダム

竣工、富山県富山市(旧大山町)

粟巣野スキー場の奥にあり、片道徒歩1時間の行程。

【取材日】2008/10/12

真川調整池ダム

真立ダム

竣工、富山県富山市(旧大山町)

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【取材日】このダムはまだ未取材

真立ダム

三滝ダム

竣工1937年、鳥取県智頭町

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【取材日】2008/7/20

三滝ダム

恩原ダム

竣工1928年、岡山県鏡野町

発電用のダムとしては日本で最初に建設されたバットレスダムとして知られる。 そうした経緯を顕すために、ダムサイトには、「恩原貯水創案者山崎仲次君紀念碑」が建てられている。
このダムで蓄えられた水は、平作原発電所に送られている。

【取材日】2008/7/20

恩原ダム

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