北海道観光(稚内)


稚内港

北堤防ドーム

高台の稚内公園から市内を一望することができる。稚内港の北堤防ドームも全体を見渡すことができ、外洋から港内を守っている様子がわかる。
この写真では右側が北にあたり、正面は東にあたる。海を隔てて見える陸影は樺太ではなく宗谷岬である。


稚内駅

日本最北端の鉄道駅


稚内公園

北辺を物語るモニュメント

樺太犬記念碑

1951年に日本が初の南極観測隊を送り込む際に、日本で唯一寒冷帯に属する北海道の経験が役立てられた。そのひとつが、移動手段として寒さに強い樺太犬の犬橇を使うことだった。北海道各地から樺太犬が集められ、犬橇を引くチームとして稚内で訓練が行われた。その記念碑が稚内公園内に建てられている。

個人的にこの樺太犬の記念碑には、樺太犬そのもの以上の興味を覚える。
私が北海道に初めて興味をもったのは、樺太犬を通じてであったからである。
小学生のころ「南極物語」という映画を見た。南極に置き去りにされた樺太犬のうち、タロとジロが生き残って1年後に発見された経緯を描いたもので、樺太犬の存在を知ったのもこれが初めてだった。
南極観測隊と共に南極に連れ込まれた樺太犬のなかに、「モンベツのクマ」、「フーレンのクマ」、「ピップのクマ」という風変わりな犬の名前があった。これらの犬は、もともとそういう名前で呼ばれていたのではなく、南極観測隊の結成に伴って北海道各地から樺太犬をかき集めたところ、同じクロという名前の犬が何匹もいて、いまさら犬の呼び名を変えるわけにもいかず、便宜上それぞれ出身地を付けて区別したのだった。モンベツは紋別、フーレンは風連、ピップは比布である。
映画を見て、犬の名前に組み込まれた、普段聞き慣れぬ音が強く印象に残った。そしてその音が地名だとわかると、そうした音を持つ土地、樺太犬という特殊な犬種を生み出す土地を、一度は訪れてみたいと思った。いわば北海道のアイヌ語地名を樺太犬の名前を通じて知ったわけである。

稚内に樺太犬の記念碑があったことで、自分の記憶のなかの北海道が、現実に今いる北海道と結びついた。


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