富山の鮎鮨

富山の郷土料理に、鮎鮨がある。鮎の「なれずし」である。藩政期には殿様が江戸の将軍家に 献上したという記録もある。
富山といえば「鱒鮨」が有名だが、もともとは、川を遡る鮎、鱒を鮨にしていたものが、形を変え、 現在の「ますのすし」として残っているものである。


黒部市生地の親類宅から、鮎鮨をいただいてきた。
夏の間塩漬けにしておいたものを、雪が降る頃、と云うから11月末から12月のはじめにご飯に まぶして、年明けから食べ始める。今は5月だから、ナレて半年ぐらい、一番味がなじんだ頃である。 骨は取ってあるが、残っている頭やひれは柔らかくなっていて、丸ごと食べることができる。

鮎の香ばしくさわやかな風味があり、こうした発酵食品には珍しくさっぱりした口当たりがする。 薬味に加えてある唐辛子の辛さも程よく効いている。これはもう、箸が休まらない。 半分ぐらいに切ったものを一口でぺろりと平らげ、次の半身にもう手を出しているという具合だ。
日本酒の肴にはもってこい。酒を飲まなくても、これをおかずにしてご飯が進む。

すべてを食べ終えてから調べてみると、鮒鮨を作っている滋賀県の料亭が鮎鮨も作って 販売をしているようだ。それが1尾1,500円。5mmぐらいに細切れにして味わうものらしい。何万円分の 鮎鮨をあっという間に平らげてしまったことになる。もったいないことをしてしまった。

富山の鮎鮨
富山の鮎鮨

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