静岡県三島市の三嶋大社の境内に、たたり石と呼ばれる直径1メートルぐらいの丸みを帯びた石が置かれている。神社にたたり石、と言っても心霊現象のことではなく、かつての東海道の往来に関するまじめな話である。
案内板によると
此の石は大社前旧東海道の中央にあり、行き交う人の流れを整理する役目を果たしていた。たたり(絡[土朶])は本来糸のもつれを防ぐ具であり整理を意味する語である。後に往来頻繁になり、これを取り除こうとする度に災いがあったと言われ、絡[土朶]が崇りに置き換えて考えられる様になったと言われている。
大正三年内務省の道路工事によって掘り出され、神社に於いて此処に据えられた。今日では交通安全の霊石としての信仰がある。
[土朶]は一字
三嶋大社の前は三差路になっていて、旧東海道が東西に走っていて、南へは下田街道が下っている。こうした交通の行き交う地点だから、それをスムーズに流す意味で三差路の中央に石が置かれていたのだろう。
あるいは沖縄などに見られる石敢当と同じ発想で、南からの「気」が三嶋大社にぶつかるのを防ぐ意味合いもあったのかもしれない。
三省堂の『大辞林』によると、絡[土朶]とは左のようなものである。
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