旧小学館ビルの化石


東京・神保町の小学館ビルが取り壊されることになった。
どうせ壊されるのだからと、編集者の発案で、漫画家を集めて落書き大会を開いた。壁や柱に自由に描いていい。 落書きだから何を描いても自由、ただ、漫画自身のキャラクターを描いたり、レスペクトして描くときは自署を入れるという ルールはあったようだ。
そこは、天下の小学館。多くの漫画家が集まって落書きをした。超豪華な落書きだ。どうせ取り壊されるものとはいえ、 さすがにもったいない。一般にも告知して、最初は外から覗き込んでもらっていた。人だかりが出て、インターネットでも広がった。 せっかくだから、中にも入ってもらって、きちんと見てもらおう。話がどんどん膨らんだ。

そういう経緯があって、8月24日と25日(2013年)、漫画家の落書きで埋め尽くされた旧小学館ビルの1階ロビーが 一般公開され、私もそれを見に行くことになった。

本当の目的は落書き。

旧小学館ビル
旧小学館ビル

さて、落書きの現物に訪れた旧小学館ビルだったが、整理券を受け取りに行って通用口から出るとき、目が回りの壁に 釘付けになった。そこにも漫画家の落書きがあったからではなく、大理石の壁に多くの化石が埋まっていたからだ。

旧小学館ビルの化石(通用口)

さすがに、通用口の薄暗い廊下の壁に気を留める人はほとんどいない。守衛の人も最初は怪訝そうに見ていたが、 そこは出版社、「こういうのに興味があるんで」言うと、そのまま放っておいてくれた。
放っておいていただけるのが、一番有難い。

こんなにホクホクと化石が埋まっている。

旧小学館ビルの化石

拡大しながら、目ぼしいところを見ていく。

ウミユリの一種だろうか?

旧小学館ビルの化石

渦巻きが見える。貝の一種かもしれない。
触手のようなものも見える。
ああ、写真を撮るときにスケールを入れるの忘れた…

旧小学館ビルの化石

隣の壁にも、模様のように化石が埋まっている。
いや、化石がたくさん埋まっていて模様のようだったからこうして建材として使われているのだろうけど。

旧小学館ビルの化石

これらもウミユリっぽい。

旧小学館ビルの化石

旧小学館ビルの化石

旧小学館ビルの化石

旧小学館ビルの化石

旧小学館ビルの化石

漫画家の落書きもそうだが、こうした化石たちも、一緒に取り壊されてしまう。
せめてここに書き留めておきたい。

とはいえ、私の知識ではほとんど何も解説できない…。小学館と言えば、図鑑。担当編集部が一声かければ 専門家の方に鑑定してもらうことも出来るだろうに。そのまま破壊されてしまうのはもったいない。


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