和田浦捕鯨
捕鯨と言うと南氷洋で調査捕鯨として行なわれているものが注目を集めているが、日本の沿岸でも行なわれている捕鯨がある。日本4箇所で行なわれている沿岸捕鯨の1箇所が千葉県南房総市の和田浦(旧和田浦町)で、夏の漁期にツチクジラ26頭の捕獲が認められている。
和田浦の捕鯨は外房捕鯨株式会社が行なっていて、この会社の方針で捕獲した鯨の解体作業を一般に公開している。
前日にその日の漁の成果が報告され、成果があった日は次の日に(大抵は朝5時ごろから)解体を行なうという段取りなのだが、タイミングがあわずになかなか見学できないでいた。
既に20頭が捕獲されていて、今年(2008年)も見学の機会がなかったとあきらめかけていたところ、21頭目の解体を8月27日(日)の正午から行なうという報告があり、それならば無理なく見に行ける。
朝6時前の電車に乗って、外房の和田浦まで出かけていった。
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和田浦駅
JR外房線の和田浦駅に着くと、駅前で早速ツチクジラが出迎えてくれる。
鯨と聞いてイメージする−シロナガスクジラやマッコウクジラのような−涙滴型ではなく、頭部に「くちばし」が突き出たような形をしている。
この「くちばし」の部分を柄に見立て、全体の形状を藁を打つツチに例えたのが、ツチクジラの名前の由来と言う。
捕鯨とつい一口で言ってしまうが、その地域地域によってこうした多様性を持っている。
駅舎の中には地元の観光協会の窓口があり、その日の鯨の解体の情報もきちんと届いているようであった。
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和田浦の町並み
駅から歩いて10分ぐらいで、和田浦の漁港にたどり着く。
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捕獲された鯨
少し余裕を持って11時過ぎぐらいに港に着くと、岸壁の一隅に人が集まっているところがある。
そこには前日に捕獲されたツチクジラが繋留されていた。もちろん既に死んでいる。
和田浦ではタレと呼ばれる鯨肉の干物を作るため、捕ったばかりのものを解体するのではなく、こうやって
しばらく寝かせて置いて熟成させるというところまでは予備知識として仕入れてある。
水中に横たわる姿からは大きさがピンとこないが、全長10m前後はありそうである。
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解体小屋
解体予定の1時間前とあって、小屋はまだ閑散としている。
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【注意】次のページからは鯨の解体が始まります。鮮血や内臓等の写真が含まれますのでご了承ください。
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