仏領レユニオン島の親不知 Route de Littoral

仏領レユニオン島の主邑・サンデニと、南部の都市サンピエールを西回りに結んでいるのが国道1号(RN1)である。 国道1号は整備が進み、全区間に渡って高速自動車道化(片側2車線)されている。
そのルートの中で見所の一つが、サンデニとラ・ポゼッション(La Possession)との間にある、海に面した断崖の崖下にしがみつくように 道路を通した区間である。日本で例えると、新潟県の親不知や静岡県の大崩海岸のような所で、勝手に「レユニオン島の親不知」と 名付けさせてもらった。地元では"Route de Littoral"(海岸道路)と呼ばれている。


"Route de Littoral"(海岸道路)

まずは現道の様子。
片側2車線の快適な高速道路。海に向かって視界は開けているし、崖は迫力あるし、レユニオン島の中でもお気に入りの 車窓風景である。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

N1の距離標が偶然にも写真に写りこんだ。

護岸はテトラポッドが積み上げられている。
分岐していく道路が見えるが、Le Grande Chaloupeへの流出路である。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

走行中の写真は高速バスの車内から撮っている。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

サンデニ市街地が切れると「親不知」の区間がすぐに始まる。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

廃道探索

"Route de Littoral"(海岸道路)の途中に、Le Grande Chaloupeの廃駅が残されている。 現在レユニオン島には鉄道はないが、かつてサトウキビの運搬を目的として鉄道が敷設され、サンデニとサンピエールの間を 結んでいた。鉄道は「親不知」の区間をトンネルを掘って通り抜けていたが、その途中に設けられた交換所がLe Grande Chaloupe であった。駅舎が保存されているほか、観光用に往時のディーゼルカーを展示したり、鉄道のないレユニオン島で 廃線ツーリズムの拠点となっている。
最初は廃線跡めぐりのつもりで立ち寄ったのだが、実は廃線跡に沿っている道が国道1号(RN1)の旧道であることがわかった。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

国道1号(RN1)の旧道であると断言できる根拠は、この標石。"IGN"と刻んである。つまり、フランス 国土地理院の測量用の標石だ。
この標石を見つけたときの感動といったら、言い表すことができない。日本でも水準測量は街道沿いに進められ、その際に 設置された水準点が旧街道沿いに残されている。廃道までいかなくても、今はさびれた道がかつての街道筋だったかどうかを 知る手がかりの一つが、水準点が見つかるかどうかである。インド洋の孤島でもそれと同じことが言えるのだ。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

旧道の端まで来てみると先客がいた。こういう想定していなかった場所で「人に遭う」というのが、廃道探索で一番 警戒することだ。(ふつうのあんちゃんだった)

左に写っている鉄橋は、廃線跡である。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

アスファルトの剥げ具合が廃道らしくて佳い。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

右手のガードの向こうが現道。つまり、旧道は落石があった場合のバッファーゾーン(緩衝地帯)になっている。
遠景に海に落ちる断崖が見える。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

そして、やっぱりあった。落石。
もう廃道探索の定番だ。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

崖が崩落している箇所もあった。

Route de Littoral 仏領レユニオン島の親不知

戻る

Copyright (C) 2012 TTS All Rights Reserved.