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探検!アメリカの道路>>東海岸の海岸線を行く

ケープメイ・フェリー

デラウェア川の河口はラッパ状にひろがって湾になっている。この湾口を横切り、ニュージャージー州のケープメイとデラウェア州のルウィーズとをフェリーが結んでいる。ノースキャロライナ州のキティホークまで出掛けた帰りに、この航路を利用してみた。
まずはフェリーにたどり着くまでの行程から。

capemay ferry mapヴァージニア州のノーフォークから、28kmも延々と続くチェサピーク湾口横断道路で海を渡りきり、US-13で半島を北上する。地形は平らで牧草地が広がっている。細長く延びる半島の南端はヴァージニア州の飛び地になっていて、約80kmほどを走ってようやくメリーランド州に入る。
メリーランドに入ってほどなくポコモケ・シティ(Pocomoke City)でUS-113に入る。州有林の中を通り抜ける。ヘッドライトを点灯するように注意標識が立っているが、今回レンタルしたカローラはエンジンをかけると自動的にライトがオンになるようになっているので何もしなくていい。やがてUS-50にぶつかり、これを東進してオーシャン・シティに向かう。

オーシャン・シティは細長い砂州の上にホテルやモーテル、コンドミニアムが立ち並び、海沿いにそれら建物がひしめき合う様はどこか熱海に似ている。だが、熱海は温泉もあり年間を通しての観光地だが、オーシャン・シティは完全に夏のリゾート専用の都市である。フィラデルフィア、バルティモア、ワシントンDCといった大都市からほど近いこともあって、常住人口5,100人に対し、夏の滞在人口は50万人にも膨れあがるという。見るからに安そうなモーテルには「大学生歓迎」と書いてあり、学生達が一夏の思い出を作る場でもあるらしい。逆に今回のように冬場訪れると、滞在型のアパートメントに人気のないのは当たり前だとして、ホテルやモーテルやレストランも軒並み営業を休止し、まるでゴースト・タウンさながらの様相である。食事する場所ひとつ探すのも苦労した。
オーシャン・シティからは砂州の中の1本道を北上する。まっすぐな道路が続いている。オーシャン・シティのようなリゾート・タウンがいくつか道沿いにある。州境を越えてデラウェア州に入った。

さて、フェリーの時間を気にしながらようやく港のあるルウィーズLewesの町までやってきた。ルウィーズの町は、やたらとブランド品のアウトレット・モールが多いのが特徴だ。ニュージャージーの海岸沿いにはケープ・メイやアトランティック・シティという小金持ちが遊ぶリゾート・タウンがいくつもあり(とくにアトランティック・シティはカジノで有名)、そこで遊んだ後に、フェリーでルウィーズにやってきては買い物を楽しむという寸法になっているらしい。


フェリーのサインにしたがって、ダウンタウンを抜けて港にたどり着く。ゲートで車が3、4台手続きをしていてその車列の最後に付いた。待つほどもなく私の番がやってきた。写真付きの身分証明書を見せる必要があり、運転免許証を見せる。
運賃は、冬季割引で、乗用車1台と運転手1人で18ドル、同乗者1人につき4ドルであった。飛行機の搭乗券のようなかたちの乗船券と、フェリーと両端の町のガイドが載った冊子が手渡される。
どうやら出航の時間が迫っているらしく、船と無線でやりとりをしている。ラスト・ワンと言っている。ゲートの係員にすぐに船の所に行くように言われて行くと、すでに船には車がきっしりと並んでいて、かろうじて空いているスペースに車を停める。エンジンを切ったら、もう船が動き出した。
いつの間にか、タイヤに滑り止めが挟んであった。
日本と違って航行中も車の中にいて良いので、船をざっと見物した以外は、車の中でシートを倒して寝ていた。長距離ドライブの途中のちょうどいい休憩時間だ。

船は2層になっていて、2階には飲食施設とラウンジ、トイレがある。
雰囲気としては、久里浜と浜金谷を結ぶ東京湾フェリーに似ている。

乗船したニュージャージー号。

海原を進んでいく。船旅の醍醐味だ。
約27km(17 miles)の距離を1時間10分かけて渡りきる。

cape may lighthouse陸地が見え始めた。灯台が立っているのが見える。おそらく有名なケープ・メイの灯台だろう。

ところでこのフェリーの航路は、地図を見るとUS-9と書いてあることが多い。日本でも佐渡島航路や、四国と九州間の佐田岬の三崎と佐賀関を結ぶ航路が国道に指定されているが、それと同じようなものだろう。ただし、船内にはこの航路がUSハイウェイの一部だということを示すものは見あたらなかった。


By TTS

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