アメリカのレストエリア事情

アメリカのフリーウェイをドライブしていて休憩を取りたくなったとき、食事や給油をしたくなったときは、インターチェンジ(Exit)の手前に個別の店を書いた看板が出てくるので、自分の好きな店を選んでそのインターチェンジで降りよう。フリーウェイはもともとタダなので、何度乗り降りしてもいい。インターチェンジのランプ(入出路)を徐行していると、交差点で右へ行くとどんな店があって左に行くと何があるか親切に指示が出ていることが多い。
これはなかなか便利というか、個人の好みによって好きな店を選んでターンオフできるというところが素晴らしい。
もっとも州や地域によっては、単にレストランを示すフォークとナイフのマークが出ているだけで、どんなお店があるかまでは表示されていないこともある。ワシントンDC付近(I-495環状線)ではそうだった。こうなると自分の好みの店があるかどうかは博打になるので、不便を通り越して、道路管理者への不満になる(苦笑)

と、自分の好きな店を看板で見つけてフリーウェイを降りるというのが基本なのだが、もちろん例外がある。このページではむしろそういう例外的なレストエリアを紹介したい。

有料道路のサービスエリア

有料道路(Turnpike, Thruwayなど)の場合は一度Exitを出てしまうとまた料金を支払わなければならなくなる(と言っても数ドル程度)ので、日本の高速道路のようにサービスエリアが設けられている。ガソリンスタンドや、カフェテリア、土産屋、観光・道路案内所がそろっている。次のサービスエリアまで何キロかという表示もある。

ニュージャージーターンパイクのサービスエリア

観光案内所

フリーウェイには、州やその土地の観光局が設けている観光案内所やピクニックエリアがあって、これらもトイレ休憩などに利用できる。
主要なフリーウェイで州境を越えるとほとんどの場合、まず州の観光案内所が出迎えてくれる。ここは寄っておいて損はない。目的は、観光案内とホテル(モーテル)のクーポンを入手することだ。また、係員に聞けば、地元のおいしいお店や観光名所も気軽に教えてくれ、パンフレットから地図からいろいろ貰えることになる。ホリデーやオフシーズンには観光案内所は閉まっていることもあるが、そういう場合でもトイレは利用できる。
フリーウェイ以外の(車線が分離されていない、交差点がある)ハイウェイ沿いにも観光案内所が設けられている場合は、車線が分離されているわけではないので、州境をまたいで立ち並んでいる二つの州の観光案内所をはしごしたりもできる(普通の人はしないって‥‥)。

(左)フリーウェイに設けられた「閉じた」形の観光案内所。ピクニックエリアも併設している。マサチューセッツ州。(右)一般のハイウェイにある観光案内所。ヴァージニア州。

民間のドライブイン

民間の業者が運営しているドライブインもある。これは、フリーウェイのExitを降りる形になるのだが、各店舗がばらばらに立っているのではなく、1ヶ所にまとまっていて1(ワン)ストップでガソリンの給油から、手洗い、食事、身の回りの物やお土産の買い物までできるようになっている。車のメンテナンス工場も併設されている。利用したときは気が付かなかったが、長距離のトラック運転手向けにシャワールームも設置されていて、50ガロン以上のディーゼル燃料を給油した場合には無料で使えるというサービスもしているらしい。長距離ドライバーにとって、いたせり尽くせりのサービスが提供されている。
グレイハウンドなどの長距離バスの休憩所になることもある。
ただし、フリーウェイ上の看板には個別の店の名前(写真の例だとTacobell ExpressとかPizza HatとかMobil)しか出ていなくて、行ってみると複合型だったという場合が多い。

全米にあるTravel Center of America 略してTA。カフェテリアもあってくつろげる。

砂漠のオアシス

カリフォルニアをドライブしていて思ったのが、アメリカのレストエリア事情を東部の感覚だけで語ってはいけないということだった(笑)。何もない砂漠(荒れ地)や平原のなかをフリーウェイが延々と視界の果てまで続いていて、同じ景色のなかをただひたすら燃料系の針と水温計を気にしながらアクセルを踏み続けるというのが、中西部でのドライブのスタイルなのだ。
フリーウェイと言っても、アクセス制限をしたくてしているわけではなく、回りに何もなくて交差する道路さえまばらなので、自ずから出入りの出来ない「フリーウェイ」になっているのである。こうなると次のExitに何があるかではなく、次のガス・ステーションまで何マイルか、次まで燃料が持つかどうか、飲み水や食料は買い出しできるだろうかという、関心事も生死をかけたレベルになる。
写真はUS-395のCoso Junctionにあったレストエリア。いかにも西部の砂漠地帯にあるような、少し砂埃にまみれたくたびれた感じの建物だが、こんなのでも「あるだけで」有り難いと思わなくてはならない。
カリフォルニアを南北に貫いているI-5の場合は、まわりが平原で、農場地帯が広がっているので、少しは人の気配もするのだが(交通量も多いし)、車の運転に必要なものが何もないことには変わりがない。時々道が交差するのだが、そういう数少ないExitをめがけてガス・ステーションや各種ファストフード店がまるで申し合わせたかのように集中出店している。これも砂漠のオアシス型だ。I-5のBob ShirlianというRand McNallyの地図にも載っていないようなところで入れたガスは$1.829もした。サンフランシスコやロサンゼルス付近では$1.5ぐらいで入れれるのにだ。だが背に腹は代えられない。泣く泣く高いガソリンでタンクを満タンにした。


By TTS

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2002年3月:砂漠のオアシスを追加