TTS>アメリカ旅行記>ニューイングランド>バークシャー地方

森の中に残る石垣

マサチューセッツ州で一番高いグレイロック山へ登る途中、州立公園のビジターセンターに立ち寄ったところで、森の中に崩れかけた石垣が残されているのを見つけた。この石垣はかつてここが農地だったことの名残である。
バークシャー地方と言えば夏は避暑、秋は紅葉の名所として知られていて、森の国というイメージがあるが、実はこの山林は再生した森なのである。東海岸は早い時期から開拓が進み、ボストンやニューヨーク市などの大都市で燃料用の薪が大量に消費され、また沿海航路の汽船用燃料として最初は薪が用いられたことから木がさかんに伐採された。18世紀初期にはバークシャー地方の森の75%が切り開かれ、農地になったという。
今では森林が再生して保護区なども設けられているが、森の中に続く野面積みの石垣はかつて農地だった土地の歴史を今に伝えている。

グレイロック山の中腹から眺めたバークシャー地方の山野。自然がよく「残されている」と思うが、この多くはここ200年ほどの間に再生したものである。
バークシャー地方は紅葉の名所として有名だが、訪れたときには残念ながら最盛期は過ぎてしまっていた。

[マサチューセッツ州で一番高いグレイロック山]

【参考】
Don W. Holmes "Highpoints of the United States: A Guide to the Fifty State Summits" 2nd Edition, The University Press of Utah, 2000
Jamie Jensen Eds., "Road Trip USA", Avalon Travel Publishing, 1999

お問い合わせ(メール):TTS
スパム対策のため最後にアンダーバー"_"が余計に付いています。
お手数ですが、jpの後の"_"を削除して送信ください。

(C) TTS 1997-2003, All rights reserved