スリーマイル島原発 | |
サスケハナ川を渡るペンシルヴァニア・ターンパイク(有料の高速道路)の橋の上からも西向きの場合は左手(東向きの場合は右手)に、スリーマイル島原発の「とっくり型」の冷却塔を望むことができる。特に冬の日は、現在も稼働している1号機の冷却塔から水蒸気が空高く登っているのが目に付く。直接近くに立ち寄らなくても、ペンシルヴァニア・ターンパイクを東西に移動中に目撃している人もいるはずである。
また、ニューヨークとハリスブルグを結ぶAmtrakの路線は、まさにスリーマイル島の対岸を通っている。 | 1979年3月28日、スリーマイル島の原発が事故を起こし炉心融解、放射能の放出という惨事を招いた。その事故の重大さと商業用の原子炉で起きた事故だったことから、単に技術上の問題だけでなく、その後のアメリカのエネルギー政策や商業用原発の安全性審査にも大きな影響を与えた。
スリーマイル島という地名は聞いたことがあっても、それがどこにあるか正確に言える人は少ないだろう。「島」と言うから、どこか海沿いの島を連想する人もいることだろう。
スリーマイル島を実際に訪れてみようと思う。
巨大なとっくり型の塔がスリーマイル島原発のシンボルのようになっているが、これらは冷却塔で、立ち上っている煙も水蒸気である。臨海部に立地して海に廃熱している日本の原子力発電所では見ることのない施設である。 |
サスケハナ川の川幅が広がり流れが停滞して湖のようになり、フレデリック湖 Lake Frederic と呼ばれている。スリーマイル島は、川の中の中洲と言うより、湖の中に浮かんでいる「島」である。 | |
サスケハナ川を挟んで、スリーマイル島原発を身近に見ることができる。従業員の訓練施設の脇にはペンシルヴァニア州の歴史・博物館協会によって1979年の事故の記念碑が建てられている。 | |
大きな冷却塔の脇に、原子力発電所で実際に核反応が起きる原子炉が納められている原子炉建屋が小さく見えている(左写真)。この中で炉心が融解するような重大事故が起きたのである。
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スリーマイル島原発の1号炉はExelonという発電・電力卸会社が、イギリスのBritish Energy, L.L.C.と合弁で設立したAmerGen社を通じて、取得、操業している。[Exelon Corp.] 同社はExelon社の原子力発電部門としてアメリカ各地で原子力発電所を買収、操業を行なっている。
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スリーマイル島の対岸には戸数10戸ぐらいの小さな集落があり、なだらかに続く丘は牧草地となっている。のどかな風景の中に大きな冷却塔が唐突に見える。 | |
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