コンクリート製多柱式橋脚の橋

専門用語、あるいは業界用語で、どう呼ばれているのかは知らない。名前がなくては始まらないので、 仮にコンクリート製多柱式橋脚と名付けてみた。文字通り、多数の細い柱が集まって一基の橋脚を形作っている形式の ことである。
コンクリート製多柱式橋脚はそれほど珍しいというわけではない。日本各地、ちょっと探せば、すぐ見つかると思う。
だが、今後作られることがあるかというと、おそらく今(平成26年)では作られていないだろうし、今後も 作られることはないだろう。橋脚を多柱にしなければならなかったのは、コンクリートの節約のためであり、 もし今こうした形式のものを作ろうとすると型枠の組み上げだけで多額の工賃がかかり、割に合わない(非経済的) からである。既設のものも耐震性が弱いと診断され、補強工事を施されているものもある。維持にも手間がかかるように なっている。
つまり、コンクリート製多柱式橋脚とは、近代化後日本がまだ貧しく、労働集約的な産業構造をしていた時代  を象徴するような技術選択であると言えよう。そうした観点からコレクションしてみたいと思う。
なかには、こんな華奢な橋脚でよくぞ桁を支えているというものもある。鑑賞する楽しみも十分ある。

※同様の「中抜き」の技術様式として、ダムに 中空重力式コンクリートダムというのがある。この形式も、現在は作られなくなっている。


名古屋・堀川の橋

五條橋、須崎橋、日置橋

愛知県名古屋市

道路橋

いずれもラーメン構造(橋脚と橋桁が一体となっている)

【取材日】2011/12/25

名古屋・堀川 五條橋
名古屋・堀川 須崎橋
名古屋・堀川 日置橋

弥山橋

島根県飯南町

道路橋

【取材日】2014/09/23

弥山橋

鴨橋(現存せず)

山口県山陽小野田市

道路橋

昭和2年(1926年)

【取材日】2011/07/03

鴨橋(現存せず)

佐賀橋

高知県黒潮町

道路橋

【取材日】2011/05/02

佐賀橋(高知県黒潮町)

春吉橋

福岡県福岡市

道路橋

1948年(昭和23年)の福岡国体に合わせて整備された。老朽化のため、架け替えの計画がある。

【取材日】----/--/--

春吉橋(福岡県福岡市)

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