京都府の道路元標

長らく埋没しかけていたのであろうか、「標」の字より下が白く日焼けの影が付いている。

京都は観光や親類のお骨納めで何度か訪れているが、ＪＲ京都駅を基点にして、烏丸通りが駅前の目抜き通りであるという意識がある。そして東本願寺や京都御所の築地塀が連なる烏丸通りは、細い路地が入り組んでいる京都の街にあって、大都市の目抜き通りにふさわしい遠近感を見せてくれる数少ない街路である。
京都の街道の基点は古くから三条大橋のたもととされ、明治時代の里程元標の規定でも三条大橋が踏襲されたが、道路元標の位置は三条通をさらに西へ向かい烏丸通りと交わる交差点とされた。この基点の移動には説明が必要だろうが、烏丸通りを京都随一の目抜き通りととらえてきた筆者にとってはしごく自然な位置選定だと思える。

地下鉄