| |||||||||||||
山中越え地形図 | |||||||||||||
| |||||||||||||
国土地理院発行の50mメッシュ(標高)データからカシミールで地点を特定して算出した。 山中トンネルの延長が1194.5mで、標高差36m、勾配にして30.1‰というのはちょっと急な数値になってしまった。25‰に近い数字が出てくれると嬉しかったのだが。 | 【解説】
旧北陸本線は馬蹄形をした山脈にそって北西に膨らむ大きな曲線を描いている。Aの尾根の海側を回り込んで、山中トンネルで分水嶺を越えて、鹿蒜川の谷筋へ抜けている。山中トンネルはこの区間で一番長いだけでなく、海側から内陸側へ抜けるという地形上も重要な位置を占めることがわかる。ちなみに手元で計測してみたところ、山中トンネルの今庄側坑口が標高288mと区間内で最も高くなっている。山中トンネルの中は今庄側に向けて登る片勾配になっている。
| ||||||||||||
北陸道は、杉津までは旧北陸本線跡に沿っているが、Aの尾根を敦賀トンネルで抜けて一気に内陸に入り込んでいる。その割には敦賀トンネルを抜けた後は支流の谷筋に忠実に走り急なS字カーブが入っている。鹿蒜川を横断しBの尾根をこれまたトンネルで通過し反対側にある谷筋に抜けると、今度はまた今庄ICへ向かってS字カーブが入っている。尾根に無理矢理トンネルを通しては支流の谷筋に迷い込むという感じがする。地形が厳しいことは確かだが、地形の大勢を読み切れていないような線形だ。これをメリハリと取るか(建設予算の都合もあるだろうし)中途半端と取るかは人それぞれだろうが、この区間は線形が急で運転していて疲れる。 これに対して、北陸本線の北陸トンネルは潔い。地形にこだわる以前に敦賀と南今庄との間を一気に貫いている。13.870kmの長大トンネルだ。この地図の範囲のほとんどはトンネルで、平野が広がるようになった南今庄駅の寸前になってようやく顔を出している。 こうして旧北陸本線、北陸トンネル(現北陸本線)、北陸自動車道を比べてみると、2本の鉄道の方はトンネル技術の進歩もあって対照的だがそれぞれ技術に裏付けされた哲学があるなぁという気がするのに対して、高速道路の方は距離を短くするのに四苦八苦している感じがする。鉄道と道路の差(鉄道の方が勾配に弱い。自動車用長大トンネルは換気が問題になるなど)なのか、技術者の技巧の差なのかはわからないが。 白い線で描かれた国道は、国道8号が海沿いを走っている。
| |||||||||||||
お問い合わせ(メール):TTS (C) TTS 2001,2002, All rights reserved |