下道 Conventional Highway

(一般)国道を、高速道路(高速自動車国道)や自専道などの高規格道路と区別して「下道(したみち)」ということがあるが、この場合は"Conventional (National) Highway"「在来の国道」と言うのがいいかもしれない(新幹線"Shinkansen"に対する在来線の英訳は"Conventaional Line"となる)。
日本人の英語で「普通の」という意味を持たせて"Ordinary Road"と言った人もいるそうだが、これでもいいように思う。

上記の言い方はいずれも道路の規格の違いを言ったものだが、これでは、日本的な「金がもったいない、時間がかかる」という下道の感覚はなかなか伝わらない。これはアメリカの幹線道路網はほとんどがフリーウェイ(アクセス制限+無料)か有料道路であっても料金が日本と比べて格段に安いので、経済的な選択肢としての下道の概念はないからである。"To choose toll-free conventional highway route as an alternative to toll express highways"「有料高速道路の代替路として無料の在来国道を選ぶ」が適訳だろうか。その後に「ニューヨーク市からオルバニーまで行くのに100ドルのトールを払うか?そいつは馬鹿だろう」と付け加えれば、会話も弾むだろう。ロスとサンフランシスコに置き換えてもいい。説明しておくと、両者の距離は感覚的に東京−大阪に匹敵し、ニューヨーク市−オルバニー(ニューヨーク州の州都)は有料道路を経由しても料金はせいぜい5ドル、ロスとサンフランシスコの間はまったくの無料である。

アメリカでは高規格のハイウェイ(特にInterstate Highway)では道路の両脇に森林帯が設けられることが多く(東部)両側の景色がまったく単調になってしまうので、そうしたルートと区別するために"Scenic Route"という言い方がある。また、道路探検活動本として高く評価しているJamie Jensenの"Road Trip USA"には"Exit the Interstates"というキャッチコピーが付いているが、それはわざわざ古くからの田舎道をつないだようなハイウェイで町から町を訪ねてその土地の風俗や景観を愉しもうという趣向である。
いずれにしても、アメリカではものずきな趣味人がわざわざ「下道」を選ぶのである。
(あ、これは日本でも同じか‥‥)


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