ヴァモント州の最高標高地点 (3/51)

尾根を行く登山路の途中からチンの頂を望む。マンスフィールド山というのは山並み全体を指し、その中でも州の最高峰となっている頂はチン(The Chin=あごの意)と呼ばれている。他にノーズ(The Nose=鼻の意)と名付けられた頂もあり、どうやらマンスフィールドの山並み全体を上を向いた顔に例えているようである。
地名マンスフィールド山 (チン)
Mount Mansfield (The Chin)
標高4,393ft.
区域指定マンスフィールド山州立林
Mount Mansfield State Forest
山頂施設USGS標高点
歴史と
自然
標高は低いものの緯度が高いため、山頂付近は極地−アルペン・ツンドラ気候になっていて、独特の植生を持つ。春先のツンドラが溶ける時期(Mud Season)には環境保全のため入山が禁じられる。また、植物を痛めないように、歩道が整備されているところではそこからはみ出さないように、それ以外の所では(泥地ではなく)岩場を選んで歩くようにレンジャーから注意がある。
東側の斜面はスキー場として開発されていて、麓の町・ストウの名前は知れ渡っている。ミュージカルや映画の"Sound of Music"で知られるトラップ一家は、ナチスの迫害を逃れてアメリカに渡った後、故郷と景色の似たストウに居を構えロッジを経営した。ストウには今でも子孫の経営するロッジがある。
到達方法スキー・リゾートとして開発されていて、稜線までゴンドラまたは有料道路で上がることができる。有料道路の料金は乗用車(同乗6人まで)15ドル(2002年シーズン)。
有料道路の終点にある山小屋からは往復2.8milesのハイキングコースだが、途中岩場で険しい箇所もある。
麓から登るトレイルも整備されている。
到達日2002.07.13
有料道路を自動車で稜線まで到達し、Long Trailに沿って往復2.8milesのハイキング(片道40分)
標高差550ft., Class 1, Easy (*)
アメリカ州別標高最高地点巡りの第3州目にして、ようやく山歩きらしいことをする。往復2.8milesで標高差もほとんどないハイキングだが。

Auto Roadの入り口。麓の入り口部分は舗装されているが、舗装はそこだけでほとんどがダート路。$15払って登り始めると「詐欺だ!」と思ってしまう。森の中を登っていくので、見通しもよくない。時々スキーのコースと交差して、そこだけ森が切り開かれている。まるでスキー場の管理用道路を夏場はハイカーの自家用車にも開放したという感じだ。
料金所の後ろに見える赤い小屋は、スキーのリフト用の小屋。

有料道路を登り詰めると、山小屋(Summit Station, 3850ft.)があって稜線ハイキングが始まる。ここにはレンジャーがいて、山頂までの所要時間や、初心者向けハイキングルートは白でマーキングされていること、山岳植物を痛めないように岩場を選んで歩くこと、水を持っているかなど、相談に応じたり注意を与えてくれる。
このあたりはまだ木々が身の丈ほどに成長している。
写真は登山路の途中から振り返って撮影したもので、山小屋の背後にハーフ・ドームが見えている。この頂はノーズ(The Nose=鼻の意, 4,062ft.)と呼ばれている。最高峰のチン(The Chin=あごの意)まで、巨人の鼻とあごの間を歩いていることになる。途中にはアッパーリップ(Upper Lip=上唇)・ロウワーリップ(Lower Lip=下唇)という峰があって越えていく。またノーズの南側にはフォーヘッド(The Forehead=額)という頂もあって、楽しい。

歩いてきた径を振り返る。稜線をたどってきたことがわかる。ハイ松と岩場が交互している。

山頂からストウ方向を見下ろす。一面に広がる針葉樹林帯を切り開いて、スキー・リゾートが作られている。

山頂にて。風が強い。
西を向くとシャンプレイン湖が細長く延びているのを見ることができる。
シーズンには山頂にもレンジャーが駐在していて、登山者の相談に応じている。

山頂にあるUSGSの標高点

*...Don W. Holmes "Highpoints of the United States: A Guide to the Fifty State Summits" 2nd Edition, The University Press of Utah, 2000による難易度の分類

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