探検!アメリカの道路>>カリフォルニア見聞録

パシフィック・コースト・ハイウェイ

サンノゼ(現地ではサン・ホセとラジオの交通情報などでも言っているそうだが)の知り合い宅に泊めてもらって、翌朝8時頃に目が覚めた。仕度を済ませて出発する。
今日はまずパシフィック・コースト・ハイウェイとして知られているCA-1を走って、コンクリートのアーチ橋として世界最大とガイドブックに載っていたビクシビー橋(Bixby Creek Bridge)を見に行くことにする。

山越えのCA-17

ベイエリアはサン・アンドレアス断層などに囲まれた地溝帯(そのさらに低いところに海が浸入してきてサンフランシスコ湾になった)にあるので、外へ出るには山越えをしなければならない。その脱出ルートにはCA-17を選んだ。
CA-17は片道2車線は確保されたフリーウェイながら急な坂道とカーブが連続する山道で、東京八王子高尾から先のR20大垂水峠を拡幅して4車線にしたらこんな感じだろうと思いながら走っていた。知り合いに言わせると「名阪国道みたかっただろう」となる。アメリカの道路にはあまりない、どちらかというと日本の道路を思い起こさせるような線形である。曲がりきれずによく死亡事故が起きているそうである。
CA-17はフリーウェイだが、フリーウェイにしたくてしたというよりは山間の何もないところに道を通したら必然的に出入りのない道路になったという感じである。そのため、ところどころで山道が接続しているのだが、そういうところには律儀に「フリーウェイ終わり」の看板が出ていて、それを過ぎると「フリーウェイ始まり」の看板が出ている。ちゃんとしたExitを作るまでもなく、山道がふと交差しているようなところには"turn out"という標識が出ている。こうした道路形態はこれまで東部でのドライブでは見たことがない。



サンタクルズからカーメルへ CA-1

CA-17の山道を過ぎてサンタクルズ(Santa Cruz)まで出ると、いよいよ太平洋岸沿いを行くCA-1に合流する。まだしばらくフリーウェイが続く。途中見晴らしの良い場所には"Vista Point"のパーキングエリアが作られていて、車を停めて海を眺めることも出来る。のんびり行こう。

フリーウェイも途切れて片側1車線の道になる。道の両脇になだらかな丘陵に畑が広がり、温暖な日差しが降り注いでいる。なんだか渥美半島をドライブしている気分だ。スケールはこちらの方が断然大きいのだが、さっきから日本にある光景に例えてしまう。西海岸まで来て日本が近くなったからだろうか。
CA-156と合流してからはまたフリーウェイになり、今度は海岸近くの砂丘(Dune)を眺めながらのドライブになる。完全に上下線が分離されている典型的なパークウェイのスタイルだ。【写真=砂丘の谷間を縫って走るフリーウェイ】
砂丘が途切れると、湾の向こうの半島に豪華そうな邸宅や別荘が点在するのが見えてくる。モントレー、パシフィック・グローヴ、カーメルといったお洒落な街があって、17 Miles Driveとかいう別荘地やゴルフ場のなかをまわる道が有名らしいが、今回はパスする。



パシフィック・コースト・ハイウェイ CA-1

さてそのカーメルを過ぎるといよいよ道は片側1車線になり、断崖の上に道をつけたパシフィック・コースト・ハイウェイのハイライト区間になる。右手に海が見えるので、右側通行のアメリカではサンフランシスコ側からロサンゼルス側へ南下するように走ると景色がより楽しめる。

写真はこれからくねくね道が続くという注意標識だが、その距離が半端じゃない。Next 74milesとはこの先約120kmの区間くねくねが続くと言うことだ。これまで注意標識の下に距離が書いてあるのでは、「動物が出るぞ注意」でせいぜい数マイルから10miles程度しか見たことがなかったので、これにはちょっと驚いた。
くねくね道というのはアメリカにはあまりないが、あったらあったで今度は120kmも連続するとは、そのスケールの大きさがこれまたアメリカらしい(笑)

山裾が断崖になって海に落ちて行っている。その斜面を何かで引っ掻いたように1条の道が走っている。太平洋の荒波が白く砕けるのを断崖の下に小さく見ながら走るのはなかなかスリルがある。

途中には切れ込んだ谷(クリーク)もあって、橋が架けられている。これはその中でも最も高いビクシビー橋(Bixby Creek Bridge)でコンクリート製のアーチ橋である。橋の高さもさることながら、緩やかにカーブを描いている曲線が美しい橋だ。橋脚のコンクリートが細いのが気になる。まるでマッチ棒で支えているようだ。1930年代に流行したアールデコ・スタイルを反映しているという。
橋のデータを紹介しておこう。ビクシビー橋はカーメルの南18milesに位置する。1932年に完成している。シングル・アーチ橋としてはアーチの幅が世界で一番広いと言われていて320feet (約98m)を誇る。橋全体の長さは714feet(約218m)ある。橋を支えているタワーの高さは150feet(約24m)で、海面からの高さは280feet(約84m)になる。この橋ができる前は道は谷をぐるっと迂回していて、今でもダートの旧道が残っていて通行することが出来る。

[参考:耐震補強にかかわった会社のビクシビー橋紹介のページ(英語)数字はこのページのものを利用した。]
断崖をのぞき込んでみる。柵などはないので、この写真を撮るのもおそるおそる、やっとのことで撮影した。
時にはこういう緩やかな場所もあって、牛が草をはんでいたりする。岬の牛という趣がする。

カリフォルニア見聞記:[モハベからテハチャピ峠へ][墓の町コルマと咸臨丸の水夫の墓]

[カリフォルニア見聞記に戻る]

お問い合わせ(メール):TTS
スパム対策のため最後にアンダーバー"_"が余計に付いています。
お手数ですが、jpの後の"_"を削除して送信ください。

(C) TTS 1997-2002, All rights reserved