沿線の風景

金融ビジネス地区

廃工場と再開発

Exchange Place

廃工場の脇を行くライトレイル。 茶色の煉瓦の建物はヨーロッパのカシードラル(大聖堂)を連想させ、カシードラルと市内電車という組み合わせはまことにヨーロッパの都市景観だと思うが、アメリカの現実は、衰退した工場地域とそれを活性化するための市内電車という構図である。この付近は、オフィスビルや高層アパートもまとまって見られる地区で、ライトレイル開通を機に再開発も進んでいる。この重厚な廃工場ビルも、遅かれ早かれ姿を消すことだろう。

ジェントリフィケーション

Essex Street, Jersey City

Essex Streetでは、通りを一方通行にして、南行きは自動車との併用にし、中央分離帯を設けて北行きは専用軌道として整備した。できるだけ車を閉め出して、公共交通機関を軸にした街のデザインだ。
だが、写真を見てわかるように、両脇に建っているアパートメントは新しく建てられたもので、ジェントリフィケーション(住宅が新しくなる→家賃が高くなる→これまで住んでいた住民階層が追い出されて富裕層が居住するようになり、再開発によって居住階層の入れ替えが起きること)が起きているように見受けられる。遠景では新しいアパートメントの建設も進んでいる。
ライトレイルの建設によって、本当に公共交通機関を必要とする社会階層が追い出されるという何とも皮肉な自体が進行している。

パブリック・スペース

Newport Centre
Newport Centre駅はショッピング・モールに隣接して設けられていて、ライトレイルを使えば容易に買い物に出掛けることが出来る。日本では駅にデパートやショッピングセンターが併設していることは当たり前だが、アメリカでは通常こうした大規模な商業施設は郊外に位置し、とてもでないが車がないとアクセスできない。
車を使わずに公共交通機関だけで買い物に出掛けることが出来るというのは画期的なことであり、貧困で車が買えないために地域に閉じこめられてしまう社会階層にも空間的な移動性を与えようとする試みである。

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