ノース・キャロライナ州のキティホークからの帰り、ヴァージニア州のノーフォークまで戻って1泊し、次の日は海沿いにニュージャージーまで北上することにした。その1番最初の見所が、チェサピーク湾口横断道路である。
ノーフォーク(ヴァージニア本土)とチェサピーク湾を隔てて飛び地になっている東海岸地方(East Shore)とを結んで、橋とトンネルを組み合わせてチェサピーク湾口を横断する総延長17.6mile(28km)にも及ぶ道路が通じている。その規模から、アメリカの土木事業史の中でも特筆すべきプロジェクトとされている。地図で見つけてから、一度利用したいと思っていた道路だ。
英語では構造物そのままにChesapeake Bay Bridge-Tunnel(チェサピーク湾・橋−トンネル)と称しているが、ここではチェサピーク湾口横断道路と呼ぶことにする。
チェサピーク湾口横断道路は1964年に開通している。チェサピーク湾の入り口を塞ぐ格好になるので、水路を確保するために、途中に4つの人工島を作り2つのトンネル区間(Thimble Shoal Channel TunnelとChesapeake Channel Tunnel。それぞれ1mile=1.6km長)を設けている。また北側の水域では、桁間1.1km(3780feet)、桁下22.5m(75feet)のNorth Channel Bridgeを架けて、水路を確保している。それ以外の部分は、トレッスルと呼ばれる「不」字状の土台を並べてその上に橋桁を渡した構造になっている。
チェサピーク湾には、アメリカの主要な海軍基地がNorfolk(VA)にあり、空母を建造できる規模の大きな造船所がその隣のNewport-News(VA)にあり、湾奥には工業都市のBaltimore(MD)が控え、軍事的・海運的に重要な海域なのだが、1km超の水路3本で交通をさばけるらしい。東京湾アクアラインの場合は、航路を塞がないようにトンネル区間は9kmにもなり、木更津側でも橋の桁下を高くして水路を確保している。もっとも総延長も15kmほどなので、狭い湾内に船がひしめいていて密度自体が違うのだろう。
開通当時は2車線対面通行だったが、1997年に橋梁(トレッスル区間とNorth Channel Bridges)部分について2本目のルートが完成し、従来のルートを北行き、新規に建設したルートを南行きにして、各2車線を確保して分離された。
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通行料は$10.00
下の写真は、ノーフォーク側最初の人工島(Island 1=Sea Gull Pier)から眺めた横断道路の様子である。トンネル区間で途切れながら、視界の果てまで道路が続いているのがわかる。今回はノーフォークから北上してきているので、これからこの道路を延々と走って湾口を横断することになる。壮大なながめだ。
4つある人工島のうち、ノーフォーク側のこの島には駐車場が作られて売店やレストランもあり、立ち寄ることができる。料金所で領収書と一緒にここのレストランで1ドリンク(コーヒー)無料になるクーポン券をくれるのだが、全然気が付かなくてせっかく立ち寄ったのに惜しいことをした。この人工島には突堤(ピア)もあって、夏のシーズンにはここへ来て魚釣りも楽しめるらしい。
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長さで言うと大部分はトレッスル区間になり、海面からの高さも低く、構造物も見所がなく単調なので、橋を渡っていると言うよりは海中道路を延々と走っている感覚である。
カモメ(Sea Gull)がこの道路のシンボルになっているが、走っているとカモメが寄り添うように飛んでいるのが見えて愉しい。ただ時々車に衝突したカモメの死骸が路面に転がっていて、かわいそうになる。
トレッスルの部分で、北行きルートで2523本、南行きルートで2591本のパイルを使用しているとのこと。
チェサピーク湾口横断道路はUS-13の一部になっていて、USハイウェイ網に組み込まれている。 | |
南側のThimble Shoal Channel Tunnelへの斜路が人工島にあるレスト・エリアから見ることができる。
フィージビリティ調査の結果新しいトンネルの建設は中止されたので、トンネル部分は対面通行のままである。センターラインが黄色の二重線になっていて、通行帯を示す信号が付いている。 | |
2本目のトンネル、北側のチェサピーク水道トンネル(Chesapeake Channel Tunnel)に入る。
道路のシンボルのカモメが迎えてくれている。 |
By TTS
東海岸の海岸線を行く Traveling Coastal East Coast
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