朝鮮半島に現存する道路元標・韓国の道路元標

ここでは韓国の道路元標について紹介しよう。韓国の道路元標はその歴史的な背景から2種類に分けることが出来る。ひとつは、戦前の日本・朝鮮総督府が建設したもので、もうひとつは戦後に韓国政府が独自の制度として設けた道路元標である。前者はむしろ日本の道路元標との関係や植民地支配下での道路政策として論じられるべきものであり、後者は純粋に外国の道路元標の例として扱われるべきものであるが、ここでは、韓国を訪れる人のために「朝鮮半島に現存する道路元標・韓国の道路元標」としてまとめて一覧とした。
北朝鮮についても、もし何か情報が得られた場合にはここにまとめて紹介する予定である。


韓国
ソウル市道路元標戦前、日本・朝鮮総督府が建設した道路元標
全州市全羅北道道路元標韓国独自の制度として建てられた道路元標

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戦前、日本・朝鮮総督府が建設した道路元標

戦前、日本の朝鮮総督府が、日本本土に先立ち大正3年に導入した。全ての市町村に設置されたわけではなく、いくつかの主要都市に限られている。また都市計画とも深く関わっていて、朝鮮総督府の告示では、市街地における一等、二等道路の路線と同時に告示されているのが特徴である。


朝鮮半島(朝鮮総督府施政下)資料(元標の位置を定める府県告示等)
韓国ソウル市(京城)

大正13年7月時点の朝鮮半島に於ける道路元標の位置

朝鮮総督府の告示をもとにTTSが独自に編集したものです。

告示 地域 市街地名 元標位置 備考
大韓民国
直轄市 京城
(ソウル)
光化門通黄土[山見]広場
※[山見]で一文字
【現在地】世宗路と鐘路との交差点、碑閣そば。台座に漢文で元の位置から55メートル移動させた旨が刻んである。もともとは、現在の世宗路の中央分離帯、李瞬臣将軍像の位置にあった。
仁川 築港正門前 △大正3年4月11日朝鮮総督府告示第135号では「仁川税関本庁舎前」と告示
大邱 大和町ト本町トノ交会点
釜山 釜山停車場前
大田 春日町一等、二等道路交会点
光州 花園町一等、二等道路交会点
忠清北道 清州 本町四丁目角
忠清南道 公州 山城町一等、二等道路交会点
全羅北道 群山 本町四丁目角
全州 大正町四丁目角 全州市の全羅北道道庁付近に1964年に建てられた「全羅北道道路元標」がある。
慶尚南道 馬山 本町三丁目ト桟橋通トノ交会点
晋州 東城洞角
北朝鮮
平安南道 平壌 大和町ト瑞気通トノ交会点
鎮南浦 明峡通西四丁目角
平安北道 新義州 栄町四丁目角
義州 南門洞南門内
咸鏡南道 元山 元山警察署付近角
咸興 旧南門跡
咸鏡北道 清津 敷島町郵便局角
黄海道 海州 北本町角

凡例
△=大正3年4月11日 朝鮮総督府告示第135号
▲=大正3年12月2日 朝鮮総督府告示第571号
○=大正13年7月1日 朝鮮総督府告示第140号

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