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ヴェラザノ・ナロウズ橋
ヴェラザノ・ナロウズ橋はニューヨーク市のスタテン島とブルックリン(ロングアイランド)との間に架かる世界で6番目、アメリカ国内で1番目に長い吊り橋で、その中央支間長1298mを誇る。1964年に竣工してから1981年にイギリスのハンバー橋が開通するまでの15年間、世界で一番長い吊り橋だった。 | |
ナロウズ The Narrows というのは、「狭くなっている場所=瀬戸、海峡」という意味で、ヴェラザノというイタリア人の探検家にちなんでヴェラザノ・ナロウズと名付けられている。大西洋からニューヨーク・マンハッタン島へ海路向かうと、スタテン島とロングアイランドが互いに迫り合って、水路が狭くなっている。この狭隘部をはさんで、大西洋側がロウアー・ベイ、内陸側がアッパー・ベイと呼ばれている。 | |
このページに載せている空撮の写真はすべて、ニューヨークJFK空港に着陸する旅客機の窓から作者が撮影したものである。撮影時にはまだ着陸態勢には入っておらず、デジタルカメラで撮影できた。この後ロウワー・ベイを越えて、大西洋沖まで出て海側から空港へアプローチする。白く写っているのはちょうど前日に降った雪が残っているためである。 |
ヴェラザノ・ナロウズに橋を架ける計画は、1955年にニューヨーク大都市圏動脈交通施設合同調査 Joint Study of Arterial Facilities of 1955によって提言された。この調査報告は、ニューヨーク大都市圏の増加する自動車交通に対して、ニューヨーク市の外周部の道路網整備を求めるもので、ヴェラザノ・ナロウズ橋、スタテン島ハイウェイとスロッグズ・ネック橋の建設、ジョージ・ワシントン橋の下層デッキの追加がその目玉となっていた[要旨]。
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橋は、上下2層、それぞれ往復6車線、計12車線の規模を誇っている。建設後に交通量が増加して下層が追加されたジョージ・ワシントン橋と違い、ヴェラザノ・ナロウズ橋は当初から2層12車線の橋として建設された。1964年の開通当初は6車線しかなかったというのは、上層の6車線しか一般供用されず、下層6車線は将来の交通量増加に備えた「予備」(reserved)として扱われたためである。予測では下層も一般供用しなければならないほど交通量が増加するのは1975年とみられていたと言う。だが、実際にはその予測を上回って交通量が増え、1969年に下層も一般供用されて、現在に至っている。
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スタテン島側のローカル・ロードからの入り口に、顕彰碑が建てられている。 毎年秋に行なわれるニューヨーク・シティ・マラソンでは、ニューヨーク市の全てのボロウ(区)を経由するために、ヴェラザノ・ナロウズ橋のリッチモンド(スタテン島)側が出発地点になっている。この時ばかりは前日の夜からマラソンがスタートする正午過ぎまで自動車は通行止めとなる。歩行者(?)が橋を渡れる貴重な機会であるが、リンカーン・トンネルの往復4キロメートルならともかく、フル・マラソンに参加する体力もなく、結局の所歩いて渡ることもないだろう。
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[アメリカの吊り橋特集]
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